世界の占いの歴史-日本編-

世界の占いの歴史-日本編-

占いといえば、世界各国で古くから行われているというのは皆さんもご存知かと思います。

その例に漏れず、日本の占いにも歴史があります。

あまり知られていませんが日本の占いは比較的最近始まったものではなく、古く長い歴史があるんです。

一方で、日本の占いで現在まで伝わっている有名な占いの多くは日本で生み出されたものは多くはなく、中国から伝わってきたものと言われています。

それらの占いが、日本で独自に発展していったのです。

占いの歴史については、よく知らない方も多いと思うので、今回は日本の占いの歴史について具体的にみていきましょう。

日本の古代の占いは?

日本では古くから占いが行われてきました。

時代で言うと古墳時代以前の古代日本で既に占いが行われていたと言われています。

この頃に行われていた占いは、動物の鹿の肩甲骨を焼いて、そのひびの入り方で占う「太占(フトマニ)」だったことが知られています。

この太占(フトマニ)は中国から伝わってきたと言われています。

また卑弥呼の時代の日本では、政治にも多く利用されてきました。

占いがこの時に日本で行われてきたことは、様々な文献で記されていて、古事記や日本書紀にも記述があるんです。

5世紀から8世紀の飛鳥時代にかけての占い

飛鳥時代にかけては日本では、中国から様々な占いが伝えられたと考えられています。

この頃には、亀の甲羅を焼いて、そのひびの入り方で占うという亀卜(キボク)占いが中国から伝えられ、太占は段々衰退しました。

政治にも盛んに使用され、卜部と呼ばれる占い専門の集団も生まれました。

この時代のことも文献で記されており、現代でも、この亀卜(キボク)占いは伝えられています。

つい最近も皇室行事で亀卜(キボク)占いが行われ、話題になりました。

平安時代の占いの陰陽師

8世紀には、占いや天文、暦などを司る「陰陽寮」が設けられ、有名な陰陽師が多く誕生します。

この「陰陽寮」は陰陽師唯一の公的占い機関として長い歴史を刻み、明治3年に廃止されるまで続きました。

陰陽師の占いは、中国の陰陽五行の思想に基づいて日本独自に発展したものになります。

占いの方法としては、筮竹を使った易占いや、風水のような占いが行われました。

その後、安倍晴明が出現した事で陰陽道は全盛期を向かえ、貴族社会に大きな影響を与えましたが、武家社会になるにつれて影響力が失い、街角の占い師のようになっていきました。

この時代も、日本の国の行く末を全てを占いで、というほどではありませんが、政治の方針を決めるうえで重要な要素として扱われていました。

江戸時代の占い

12世紀に生まれた四柱推命ですが、実はこちらも中国から伝わった占いです。

この四柱推命が日本に伝わったのは江戸時代中期と言われています。この四柱推命という呼び方は日本独自の呼び方で、中国では命学や命理と呼びます。

現在では四柱推命の運命の4つの柱という意味が世界的に使われていて、英語でも「Four Pillars of Destiny」と呼ばれています。

その後、科学が広まるにつれて占いは徐々に廃れていくようになりました。

今までは、政治で主に使われてきた占いですが、本格的に市民の間に広まり始めたのが、この江戸時代頃と言われています。

この頃の多くの庶民は占い師に仕事や恋愛のことを相談していたそうで、街角の占い師に庶民に相談をするようになっていました。

この時代は、本当にたくさんの有名占い師や易者が活躍した記録が残っています。

戦後にもブームとなった占い

実は日本においては、戦後にも占いがブームになっていて、戦後70年で7回程度のブームが訪れていると言われています。

1961年(昭和36年)には、『易入門 自分で自分の人生を切り開く法』が出版され大ベストセラーになったのをきっかけに、自分で自分自身のことを占えると知る人が続出し、非常に話題となりました。

1967年(昭和42年)頃には、デパートの催事として、占いイベントが行われるようになったのと同時に占い学校などができました。

1974年(昭和49年)には、神戸で『タロット展』が開催されたのがきっかけで再びブームとなります。

このように、戦後にも何度も占いについてはブームが繰り返されており、占いが本格的に廃れてしまうことはありませんでした。

2000年頃の占い

この頃には、ノストラダムスの大予言や、コンピュータ2000年問題という、オカルトやSFなどがブームになり、占いを扱うオカルト番組が増えました。

その後、動物占いなどがブームとなり、血液型占いなどが流行するようになりました。

そして、おもしろ占いなどもブームになるようになり、次々と本が出版され、雑誌やメディアで紹介されるようになります。

そして、占いは対面で受けるのが常識だった時代から、携帯電話や、占いサイトを利用したサービスが現れ始め、現代につながっています。

現代の占い

現代では、電話やメール、そしてチャットで占いをするスマホからの占いが主流になり、庶民が気軽に占いを楽しめる時代になっています。

また、おもしろ占いや、占い芸能人も次々と登場し、占いが非常に身近なものでもあり、癒やしや、悩みを解決する手段の一つとして、人々に知られています。

人気が高い占いの歴史についてですが、日本ではこのように非常に古くから伝わってきたものなのです。