世界の占いの歴史をご存じでしょうか。
実は占いには、私たちが知っているよりも、遥か古代より長い歴史があります。
日本人は占いがとても好きですが、実は諸外国でも同じように占い好きの方は多いです。
そこで、ここでは長い歴史と伝統を持つイギリスの占いについて見ていきたいと思います。
イギリスでは、西洋占星術を確立させ、名だたる占術師を多数輩出してきた歴史があります。
今回は詳しくイギリスの占いの歴史や現代の事情についてご紹介します。
もくじ
17世紀に占星術を発展させた占い大国のイギリス
イギリスは、世界有数の占星術協会や専門学校も存在しているほどの占い大国です。
イギリスにも、日本と同じように、手相、タロット、四柱推命などの占いもあります。
しかし、最もイギリスでポピュラーな占いは、西洋占星術です。
イギリスでの西洋占星術については、とても歴史が古く、紀元前2200年頃のメソポタミアには、すでに簡単な星占いが行われていました。
元々、現在のイラクであるバビロニアから、ギリシャ、そしてエジプトを通り、ローマ帝国から伝わり、イギリスで大きく発展することになりました。
これが17世紀のことになります。
そして「クリスチャン・アストロロジー」という占星術に関する文献が1647年に発表されています。
その後も、次々と占星術の雑誌が発表されることになり、元々学問として発表された占星術が、一般大衆に広く普及されることになったのです。
17世紀で一度科学革命が起きることになり占星術の歴史が変わる
そして、占星術が広く普及されることになったイギリスでも、17世紀に入ると今日の科学史家が「科学革命」と呼ぶ、科学的世界観の大きな変化が訪れることになります。
こちらの科学革命により、その後の歴史が変わってしまう大きな転換期になりました。
科学革命によって「占星術は信頼性が劣る」と考えられるようになります。そして、世界的にもこの影響は今も残っています。
ただイギリスの場合、科学革命が起きてからも、17世紀には、占星術の第2の衰退期においても、何人かの占星術師たちが活躍しています。
イギリス革命期において、ウィリアム・リリーは占星術師として、当時の人々、社会へと影響力を発揮しました。
19世紀のイギリスでの占いの状況
19世紀に入ってから、占星術は一度衰え、大衆向けとして、アングラに楽しまれる程度のものになりましたが、この時期ぐらいから、占星術のリバイバルの兆しも少しずつ見えて来ています。
そして、イギリスでは1816年、一般向けに占星術のチャートの作り方と解釈などを紹介したジェイムス・ウィルソンの『占星術の完全辞典』が出版されました。
それ以降も占星術の盛り上がりは衰えず現代へ広がる
こちらの「クリスチャンアストロロジー」が発表されてからは、その後占星術の勢いは一度衰えることになります。
しかし、1980年以降、こちらの古典の再版が続き、イギリスでは綿密で伝統的な古くからの占星術が主流となっています。
そして、コンピュータの登場によって、占星術のチャート作成が可能になり、現代はチャート作成についてはパソコンが主流となっています。
日本と同様に、イギリスでも占いは身近なものとなり、幅も広がっています。
2008年(平成20年)には、イギリス公文書館が公開した第2次世界大戦中の機密文書において、イギリス軍のスパイ部隊を指揮した特殊作戦執行部(SOE)が第2次世界大戦中にハンガリー人の占星術師ルイ・ド・ウォールを雇っていたことが明らかになっています。
このニュースについては、日本でも報道されることになりました。
国際的にも権威のある団体が存在するイギリス
イギリスには、現在でも、国際的にも権威のある占星術団体があります。
そして「アストロロジーショップ」など世界的に有名な占い専門店がロンドン中心部にあります。
大英博物館にはエドワード6世とエリザベス1世に仕えていた宮廷占星術師ジョン・ディーが使用していた水晶玉が展示されています。
20世紀における人々の占星術への関心は途切れることなく続いてきており、それは現在に至っています。形が変化していっても、今もなおポピュラーな占いとして、イギリスだけではなく、全世界に広がっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
西洋占星術というと、今は日本での占いでも一つのジャンルとして確立されていますが、元々はイギリスで、広まった学問の一つであり、人々に親しまれてきた長い歴史があるのです。
また、イギリスでは、今もなお町中にアストロロジーショップがあるなど、占星術は人気があり、専門の団体や、学校まであるほどです。
日本では占いというと、エンタメの要素が非常に強いです。
ただ、イギリスでは学術的にもひとつの分野として市民権を得ており、日本とは少し状況が異なります。
このように、イギリスは、占いの先進国です。
スピリチュアルなことに興味がある方は、是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。