四柱推命は占いの中でも比較的メジャーな占いです。
メジャーな占いではありますが占い師をやっていると占い師の感覚と、お客様から見た四柱推命は大きな隔たりを感じる事が少なくありません。
なぜならば四柱推命は生まれた年と月と日と時間の4点を基準に占います。
また、時差も考慮に入れる為、生まれた場所も必要です。そこで生まれた時間と場所がわからない場合は便宜上、生まれた正午を基準にし、生まれた場所は東京を採用しています。
それらの情報は戸籍にはありませんから母子手帳を見るしかありません。つまり四柱推命は、これだけ詳しい点から導き出される為、占った内容も細かい事も出でくるのです。
逆に生まれた場所も時間もわからない場合は、それだけ荒い占いとなりやすい難点があります。
その為、私は四柱推命も使いますが、生まれた時間と場所が不明な場合は算命学を使います。
つまり4点が揃うから四柱推命になるのです。しかし、それを意外と知られていないのです。
さて、実際占う場合は、この生まれた年月日に時間を、それぞれ干支(かんし)にします。
占い師は「万年暦」という暦の本や専用のソフトらから算出しますが、最近はインターネットから簡単に算出することができるようになりました。
例えば2019年9月15日正午東京生まれなら
命式表(本人の運命)
2019年9月15日12時
時柱 日柱 月柱 年柱
天干 壬 乙 癸 己
地支 午 卯 酉 亥
通変星 印綬 偏印 偏財
十二運 長生 建禄 絶 死
となります。
(マニアック四柱推命より)
https://www.koufuku.ne.jp/cgi-bin/unseiall.cgi
年柱2019年は己亥(つちのといのしし)
月柱9月は癸酉(みずのととり)
日柱15日は乙卯(きのとう)
時柱12時は壬午(みずのえうま)
となります。
日の干の乙(きのと)、つまり木の弟に対して、年の干は(つちのと)、つまり土の弟で木は土を剋(こく)す(土のエネルギーを利用する)関係のため通変星は偏財となります。
また、月の干は癸(みずのと)、つまり水の弟で日の干の乙(きのと)にからは木に水を与える(水は木にエネルギーを与えている)関係のため通変星は偏印となります。
そして、時間の干は壬(みずのえ)、つまり水の兄で日の干の乙(きのと)にからは木に水を与える(水は木にエネルギーを与えている)関係のため通変星は印綬となります。
このように通変星は置かれている環境を表します。日の干の乙(きのと)は、基準になりますから、通変星はありません。
また、十二運は生まれた日の干に乙に対して、年支の亥(いのしし)の関係を表し、十二運は死となります。
イメージとしては水の勢いが強すぎて乙は流されてしまう状態です。
月支の酉(とり)の場合は、十二運は絶となります。
イメージとしては金属でできた斧で乙を切り倒す状態です。
日支の卯(う)の場合は、十二運は建禄となります。
イメージとしては木で乙(きのと)を支える状態です。
時間の支の午(うま)の場合は、十二運は長生となります。
イメージとしては暖かい日の光で乙を育む状態です。
このように十二運は勢いや強さを表します。
つまり四柱推命はその人の元々の性質とその環境を表します。
生まれ持った性質にあった環境に居ることができれば、その人の能力を最大限に活かす事ができ、反対に環境が合わないと人生は向かい風状態となります。
ですから、四柱推命で自分の性質がわかれば、自分に都合の良い人生を見つけやすくなるのです。
四柱推命には、通変星や十二運だけで占おうとして占いの勉強を挫折される方をよく見受けられますが、通変星の比肩(ひけん)、劫財(ごうざい)、食神(しょくしん)、傷官(しょうかん)、正財(せいざい)、偏官(へんかん)、正官(せいかん)、偏印(へんいん)、印綬(いんじゅ)、十二運の養(よう)、長生(ちょうせい)、沐浴(もくよく)、冠帯(かんたい)、建禄(けんろく)、帝旺(ていおう)、衰(すい)、病(びょう)、死(し)、墓(ぼ)、絶(ぜつ)、胎(たい)、の意味合いだけでバラバラに占おうとするとそれぞれのパーツが独り歩きしてしまいます。
ですから、比肩があると自分中心とか、帝旺があるから強いとみてしまいがちです。
確かに帝旺は強いという意味はありますが、夏の太陽のように強く輝けば人生は輝くとは限りません。
夏の太陽は暑すぎますから周囲からいつも喜ばれる訳ではないのです。
むしろ冬の太陽の方が歓迎されるのです。つまり同じ太陽でも夏生まれよりも冬生まれ持ったの方が周囲から重宝されるのです。
また、比肩も自分にとってライバルのような存在です。
ライバルがいると頑張れる場合とライバルに自分の手柄を横取りされてしまう場合もあります。
ですから、帝旺だから、比肩があるからだけでは占うのはほんの一部しか見えていないのです。
そして、それだけが独り歩きし、盲目的になると本来の姿が見えなくなるのです。
つまり、ただ比肩や帝旺を見るのではなく、どんな状態の比肩かどんな環境の帝旺かで意味合いも、吉凶も変わってくるのです。しかし、それが分かれば人生の奥深いところまで占う事が可能な占いが四柱推命なのです。