占い師のイメージとして水晶玉を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、私の場合は筮竹(ぜいちく・竹ひごのようなもの)をジャラジャラする方が、「ザ・占い師」という印象です。
私の毎月の占いも、この方法で占っています。
私もよく、お客様の前で易を立てます。
まず筮竹(ぜいちく)をお客様にお見せすると、どうやら神社の御神籤みたいに筮竹(ぜいちく)に番号が書かれていると思われがちですが筮竹(ぜいちく)には一本も番号は書かれていません。
基本50本全ての筮竹(ぜいちく)が同じものでないといけないものです。
では、それをどう使って見るかというと、筮竹(ぜいちく)の本数から占います。
本数を出すには、まず一本を筮筒(ぜいとう・筮竹を立てておくペン立てみたいなもの)を立てて、天にアンテナを張ります。
そして、残りの筮竹(ぜいちく)を二つに分けます。
分けた残りの本数を八本ごとに勘定し、最後何本残ったかに応じて算木(さんぎ・細長い積み木みたいなもの6個で一組)を並べていきます。
一本残った場合は「乾(けん)」、二本残ったら「兌(だ)」、三本残ったら「離(り)」、四本残ったら「震(しん)」、五本残ったら「巽(そん)」、六本残ったら「坎(かん)」七本残ったら「艮(ごん)」、八本残ったら「坤(こん)」となります。この八通りを八卦(はっけ)といい、それぞれに意味を持っています。
「乾」は一言で表せば「天」です。
算木で表すときは三本全てが陽となります。
「天」の反対は「地」ですが、「坤」は算木で表すとき、三本全てが陰となります。
人を表すならば男と女、父と母の関係となります。
次に長男に当たるのが「震」、一番下が陽で、その上二つが陰となります。
「震」は一言で言えば「雷」、算木を並べると調度、大地に雷が落ちるようなビジュアルです。
続いて次男に当たるのが「坎」で陽が真ん中、中央にあり、陰に挟まれています。
上には姉、下には妹のように挟まれた立場です。「坎」は一言で言えば「水」です。窪地に集まるものと言った印象です。
そして、末っ子の男の子に当たるのが「艮」で一番上に陽があり、残りの下二つが陰になります。
「艮」は一言で言えば「山」です。算木を並べると平仮名の「へ」のように、山の形を表すビジュアルです。また、占いではその形からテーブルを表すことがあります。
そして長女に当たるのが「巽」、一番下が陰でその上二つが陽となります。
「巽」は一言で言えば「風」です。算木を並べると「風」を表す「几」の文字のようにも見えます。「艮」と似ていますが「艮」は高さを示すのと対照的に、「巽」狭い空洞をすり抜ける意味合いを持っています。
さらに次女に当たるのが「離」で陰が真ん中、中央にあり中にある柔らかいものが固い殻に覆われている様子を表しています。上には兄、下には弟のように挟まれて外をガードしている女性です。
そして、末っ子の女の子に当たるのが「兌」で一番上に陰があり、残りの下二つが陽になります。
「兌」は一言で言えば「沢」です。てっぺんが削れて水が溜まっている状態です。また、てっぺんが開いている状態を口とも例えることができるので、占いでは口に関することを表します。
これらの意味は特に失せ物を占うときに活用されます。
失せ物占いは他の占いでは難しいため、電話鑑定やお店の鑑定では受け付けないところもありますが、易の教室ではよく練習に使われる内容です。
そして、周易のもう一つの特徴が「易経(えききょう)」です。
これは簡単に言えばマニュアル本です。
例えば「全て陽の乾為天の何爻がでれば、こういう意味です。」という内容が詳しく書かれています。つまり、「易経」はそれぞれの事案を整理しされたものです。「このような占い結果が出たら、こうだったよ。」という今でいう、口コミみたいな感じもします。
さらにその中にその時代に生きた人のいろいろな工夫が濃縮されています。
例えば、全部陽である「乾為天」は一見、全てが欠けるものなく完璧な状態を表しています。しかし、人間は完璧を求めても完璧である人はいない。逆に自分が完璧と思うようなら、それは驕り高ぶる状態です。出る釘は打たれるともいいますが、いくら完璧と本人は思っていても、その勢いがやっかみとなり、妬みを生むことにもなります。
そんな人生の難しさや注意すべきことを学べるのが「易経」です。
よく、占いをご依頼されたときに、どうしたらよいかとも相談されることが多いです。
「易経」は、そのどうしたらよいかを示してくれるものでもあります。他の占いは状況を示すことはしやすいのですが、解決方法は自分で考えろと出てしまうことがあります。
最後に、私は毎月の易占いを出させていただいていますが、その生きる知恵が満載の「易経」を優しく有意義に、みなさまの日常にご活用いただきたくて毎月心を込めて占い原稿を提供させていただいております。
通常の月占いに比べてかなり異色なスタイルとはなりますが、読者の方々の少しでもお役に立つことができれば幸いです。
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