占い師となって、まず一番多いご相談は相性です。
想いの人とのご縁を信じたいですし、気になるものです。
では、この相性とは何でしょうか?
一般的に良い人というのはありますが、好みは人それぞれです。
賑やかなところが好きな方もいれば、静かなところを好む方もいます。
明るいところが好きという方もいれば暗い方が落ちつけて好きという方もいます。
そして、何でも自分から提案したい人もいれば、先に誰かに提案してもらえた方が安心できるという方もいます。確かに会議で皆が発言してくれれば、活発にいろいろと論議することができますが逆に意見をまとめることは至難の業です。
もっと単純に言えば、話をしたい人と話を聞きたい方がいないと会話は成り立たないのです。
つまり、占いでは「相性が良い」とは、単純に同じ性質ではなく、お互いに求めているものが、お互いに提供したいものである。
または、「相手の意見に賛同できて相手が賛同できる意見を持ち説明できる。」「自分にはない能力を尊敬し、自分を高める基となる」となります。
逆に「相性が悪い」とは、単純に言えば食べ合わせが悪い状態です。
どんなに素晴らしい洗浄力があっても酸性のものとアルカリ性のものを混ぜて使うと大変なことになります。ですから、お互いにないものを求めてしまう。性質が逆でお互いの意見が噛み合わない。相手が良かれと思うことが、自分にとって負担になる。
また、自分の所縁のものと敵対関係の場合も相性が良くないのです。
よく、生理的に合わないというお話しがありますが、自分のご先祖さまが、もともと敵対関係、つまり関ヶ原の合戦で東軍と西軍の関係のように因縁のような関係の場合はその所縁(ゆかり)が強すぎれば、それだけ感じるものがあっても不思議ではないのです。
今のご時世で言えばライバル会社でしょうか?
同じ分野で同じように仕事をしているつもりでも業績が違い過ぎればやっかみなどの精神的なストレスや負担があるはずです。ビジネスとしてならまだしも、プライベートでは何か情報を取られてしまうのではないかという緊張状態となり、安らぐことができないとなります。
確かに、お互いに尊敬し、自分を高める基とできる場合は良い関係を築くことができますが、実際は難しいものです。つまり、防衛本能が働き「近づいてはならない。」という感覚が起き相性が悪い関係となるのです。
では、男女関係に於いてはどうでしょうか?
夫婦共々優秀で頭も顔も良く、正に絵に描いたようなカップル。だれもが憧れる光景ではありますが、お互いに頭が良すぎて自分の意見が一番正しいと考えているのであれば、自分に釣り合った人と思うこともありますが、お互いの意見を聞こうとすることはなくなります。
これではトラブルも多く相性が良いとは言えないのです。
また相手の意見を尊重しすぎる人同士の場合も相手が進めてくれることをお互いに望んでしまうため前に進むことができないのです。なんとなく、ずっと仲が良いだけで終わってしまうのです。
ですから、お互いに自分の無いものを相手にあり、それを尊敬できることが一番良い関係を維持することができ、一番相性が良い関係となります。
また、風水も一般的に良いところは安全なところであり、悪い場所は危険なところとなりますが、それ以外の部分は個人の感覚が大切です。
自分の本質を自覚している場合もありますが、自分に合わないところにずっといるためにその感覚が麻痺している場合もあります。例えば、社交的な人ならば、人と接するのに便利な場所なら居心地がよくなりますが、内向的であれば、なるべく人と関わりにくい場所の方が落ち着くはずです。
そして色使いも賑やかな人が明るい色を使えば、ますます活気がでますが活気が出過ぎて周囲から疎まれてしまうこともあります。逆に暗い色であれば引き締まったように見え、周囲の理解が得やすくなります。つまり、使い方の意味を無視しカオスな状態になってしまうと良いものを集めていても裏目にでてしまうのです。
よく「水と油」といいますが性質が逆であれば馴染むことは非常に困難です。
例えば、樹木とお花なら同じところにあればとても和める風景です。
しかし、樹木の隣に斧があれば、どことなく緊張感が漂います。
それは樹木に負担を強いている光景だからです。
東洋の占いのには陰陽五行という、根本的な考え方があります。
万物は「木・火・土・金・水」の5種類の元素からなるという考え方です。
木は火を生み、火は灰になって土を肥やし、土から金属が生まれ、金は水を増やし、水は木を育てます。一方で木は土の養分を吸い、土は水を濁らせ、水は火を消し、火は金を溶かし、金は木を切り倒してしまいます。
樹木の下には柔らかい土があれば樹木は安定します。
しかし炎が近づけば樹木は燃えてしまいます。水があれば炎の災いを避け樹木に潤いを与えますが、太陽が照り付けると炎の勢いは強まります。
また、炎が燃えても金属製品で囲うと酸欠状態となり、炎は燃えることができなくなります。
そして燃えた後は灰となり大地に帰り、大地を掘ると金属製品の元となる鉱石が出てきます。
また大地に大雨が降れば土砂崩れを起こします。
しかし、樹木がしっかりと根を下ろしていれば流されずに済むことでしょう。
つまり相性とは、ただ同じ性質というだけで論じるのではなくお互いの都合や利害関係を極めた壮大な世界なのです。